エステル化合物の和訳(スペースの意味)Ester Compounds
以下の4つのエステル化合物(ester compounds)についてみていきたいと思います。
(2)と(3)はどのように区別したらよいでしょうか?
(1) Phenyl acetate
(2) Ethyl phenylacetate
(3) Ethylphenyl acetate
(4) 1-tert-Butyl 3-methyl 2-methylmalonate
エステルは「酸」由来の部分と「アルコール」由来の部分とからなり、カルボン酸エステルを例とすると、下記式のように表せます。
英語では、
-yl -ate
のように、アルコール由来の基を先に書き、
スペースを空けて、酸名を-ate型に変形したものをそれに続けることで命名します。
日本語での命名は、
(1)「~酸アルキル」のように、元の酸名を先に出し、アルコール由来の基を後に続けるか、又は
(2)「~イル~エート(アート)」のように音訳(字訳)する
のどちらかとなります。
具体例を見ていくと、先ず、
(1) Phenyl acetate
は、
「酢酸フェニル」又は
「フェニルアセテート」
と訳せそうです。
この化合物は構造が単純なためこれで十分ですが、「フェニルアセテート」は
を表してしまう可能性もあります。
また、複雑な化合物では、どこまでがアルコール由来で、どこからが酸由来であるか分からなくなってしまします。
そこで、酸由来の部分とアルコール由来の部分の切れ目を明確に表すために、「=」を使用することになっています。
具体的には、
(1) Phenyl acetate
は、厳密には
「酢酸フェニル」又は
「フェニル=アセテート」
と表わします。
これを用いれば、
(2) Ethyl phenylacetate
フェニル酢酸エチル、又は
エチル=フェニルアセテート
と
(3) Ethylphenyl acetate
酢酸エチルフェニル、又は
エチルフェニル=アセテート
との区別も容易になります。
さらに、
(4) 1-tert-Butyl 3-methyl 2-methylmalonate
のような、ジエステルの構造も
2-メチルマロン酸=1-tert-ブチル=3-メチル、又は
1-tert-ブチル=3-メチル=2-メチルマロネート
と和訳することで構造を明確に示すことができます。
まとめ
エステル化合物の和訳では、スペースをつなぎ記号「=」に置き換えることで構造を明確に示すことができる。
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